平成22年5月12日(水)に行われた公開政策討論会「2012!! 1000万人の声を届けよう in 東京」では、各政党の代表者が「介護保険法改正に向けて」の考えを打ち出してきた。
討論の主な論点は「財源」「労働者の待遇」「要介護認定」の3つであったが、レポートの最後は「要介護認定」について取り上げる。
要介護認定
民主党 園田氏 -要介護認定にしっかりとした基準を
要介護認定の簡素化について、社民党阿部氏が提言した要介護認定を3段階にするという案は、ドイツの考え方が念頭にあるのだろうと指摘。これに関してはしっかりとした基準を考えて行きたいと述べた。
自民党 加藤氏 -ケアマネジメントの独立性を
要介護認定については、ケアマネジメントをどう確立するか、ケアマネジメントの独立性を作り上げていき、試行錯誤しながらやっていくべきだと述べた。
公明党 渡辺氏 -利用者をとりまく環境も認定基準に
簡素化は当然である。要介護認定の迅速化を計り、必要な時にサービスをしっかりとうけられるようにすると提言。
また、認知症を持つ人に対してより適正な評価をしないとニーズにあったサービスを受けることはできないということ。介護のニーズはケースバイケースであり、本人の要介護状態だけでなく、本人を取り巻く環境についても配慮して認定をすべきであると指摘した。
共産党 小池氏 -オーダーメイドのケアプランでサービスを提供
コンピュータの判定には、合理性が無く、要介護認定は廃止すべきであると提言。そのためには、ケアマネジメントの公平性・中立性をしっかり担保することが必要であると述べた。
また、特定事業所集中減算、要介護度別の報酬など、様々なしばりを外しケアマネジメントで経営が成り立つ報酬にすべきであると提言。介護保険の生み出した最大の宝ケアマネージャーの専門性を後押しして、必要な介護はケアマネジメントで判定しケアプランで結びつける。
1000万人の利用者がいれば、1000万通りの限度額があり、1000万通りのケアプランがあって構わない事後的にチェックする仕組みとあわせてやればできると提言。オーダーメイドのケアプランでサービスを提供する決断をするべきではないであろうかとまとめた。
社民党 阿部氏 -当面は3段階の認定を
要介護認定について、まずは、医療モデルをやめることであると提言。何ができて、何ができないかは、病名とは関係が無いことを指摘。
松竹梅3段階の認定は当面を想定しており、多くのケアマネージャーの資質が向上し、そのケアマネージャーがニーズを把握して個々に応じたオーダーメイドのプランを出せるようになる。しかし、当面は混乱を避けるため、目安として3段階の認定で良いのではないかと述べた。
みんなの党 川田氏 -現場の判断を重視
要介護認定制度自体が問題であると指摘。ケアマネージャーの権限、地位を確保し、その人たちが現場で判断し介護の内容を判断して行くことが大切であると述べた。
白澤氏 -ケアマネージャー・サービス担当者会議に信頼を
要介護認定は廃止すべきであると発言。
審査会よりも専門家、例えば、ケアマネージャーだけでなくサービス担当者会議にもっと信頼性をおいたら良いのではないかと提言。
また、要介護者のうち4割しか利用されていない介護保険制度、介護保険の中にある無駄をなくして行く姿勢をとらなければならないのではと指摘した。
時間はかかるかもしれないが、こういった方向で議論していって欲しい。ケアマネージャーの中立性はどうしていくのかを同時に考えなければならないとまとめた。
高見氏 -翻弄されるのはいつも利用者・利用者家族
昨年の要介護認定を見て、要介護認定が必要なのかという疑問を持ったと発言。
厚生労働省が調査のやり方を変えれば、簡単に要介護度が下げられることを指摘した。
また、要介護認定検証検討会での委員の発言を取り上げた。
「2003年2006年に介護報酬が下がったが、全体の要介護度が上がった。介護報酬が下がったので事業所の収入が減る。それをカバーする為に調査員と事業者が操作をして要介護度を上げた疑いがある。」とのこと。
高見氏は「もし、これが事実なら、調査の仕方で要介護度が上げられる。調査の仕組みを変えることで要介護度が下げられると指摘し、その間で翻弄させられるのはいつも利用者、利用者家族であり、そんな要介護認定は必要なのか」と述べた。
利用者が本当に必要なサービス内容をケアマネージャー・保険者・事業者の力で決めるほうが介護保険の主旨に合うとまとめた。
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(SIL編集委員 行田龍司)


